曲目リスト
1. The Invitation
2. Then Days Went By
3. Death To My Enemies
4. So Disrespectful
5. Psycho feat. Eminem
6. Hold Me Down
7. Crime Wave
8. Stretch
9. Strong Enough
10. Get It Hot
11. Gangsta's Delight
12. I Got Swag
13. Baby By Me feat. Ne-Yo
14. Do You Think About Me feat. Governor
15. Ok, you're Right
16. Could`ve Been You feat. R.Kelly
17. Flight 187
評価: ★★★★★★★★☆☆
アメリカのNY出身のラッパー、50 Centの4thアルバム。
2009年11月9日発売。
3rdアルバムである前作でKanye Westにセールス対決を挑み、好セールスを記録したものの勝負では惜敗した50 Cent。
「セールスでKanyeに負けたら引退する」という宣言はどこへやら引退の気配は一切なく、それから2年後、4thアルバムである本作をリリースしました。
本来3rdアルバムとしてリリースされる予定だったのは本作だったのですが、50の意向により本作は4thアルバムとしてのリリースを決行。
4thアルバムとしての本作のリリースは本来2008年2月の予定でしたが、それから延期に延期を重ね、結局2009年11月のリリースとなりました。
最も前作から本作までのリリースの間にミックステープのリリースも行っていたため(言うまでもなく最近記事を書いた2作)、50の存在は変わらずシーンにアピールされていたわけですが。
では、内容に。
基本的に50のアルバムはハードな曲とPOPな曲をバランスを取って配置していく形で構成されています。
前作ではシンガーの客演が多く聴きやすい曲が多めでしたが、本作は比較的ハード寄りな楽曲が多いです。
M-1「The Invitation」は3分もない曲でイントロ的な役割ですが、臨場感のあるトラックと煽るような50のラップで初っ端から掴みはガッチリ。
対訳を見るとやはり内容は暴力的で、初期の50のリリックを彷彿とさせます。
それからちょっとした語りから始めるM-2「Then Days Went By」は曲調とリリックこそハードなものの相変わらずな耳に残るHookでまさに50印といったところ。
M-3「Death To My Enemies」はトラックが本作随一で耳に残る曲で、琴のワンループと強烈なドラムが印象的。
50のラップも非常にこの曲ではスムーズに乗せていて、序盤ではハイライトと言っていいですね。
M-4「So Disrespectful」はトラックも50のラップもハードさと聴きやすさが同居したような感覚の曲で、1stアルバムの収録曲を彷彿とさせます。
対訳を見るとリリックの内容は非常に物騒ですが。
続くM-5「Psycho feat. Eminem」は50曰く本作の一番の協力者であるEminemが参加。
バースでは淡々とした雰囲気ですがHookでは臨場感のあるトラックがインパクト抜群。
まくしたてるようにラップを乗せるEminemとホニャホニャしたラップを乗せる50のラップが見事に拮抗。
ラストのHook前の2人の掛け合いなんて問答無用にカッコいいです。
M-6「Hold Me Down」は怪しい雰囲気のトラックでの上での大げさなHookが2ndアルバムの収録曲を彷彿とさせる作り。
M-7「Crime Wave」は全体的にハードながらもHookのインパクトが抜群。50のちょっと荒っぽいラップもハードなトラックとの相性の良さを見せつけます。
M-8「Stretch」は単調なループトラックですがその中に色々な音が入っていて、50のラップとの相性の良さが相まって中毒性がある楽曲になっています。
M-9「Strong Enough」はHookのインパクトこそ薄いもののバースでも十分な底力のあるラップを乗せているため、最後までガッチリ聴かせてくれますね。
M-10「Get It Hot」はもうイントロからトラックとぐいぐい来るラップのインパクトが凄いです。
ナンパチューンなこともあってHookでは口ずさむか首を振ってしまうこと請け合い。
最後のバースではちょっと物騒なことも言ってますけど、そんなことも気にならないくらいHookの臨場感がヤバし。
M-11「Gangsta's Delight」はそのタイトルから想像できるように思い切りギャングスタ物。
ちょっとN.W.Aの匂いも感じさせる、50の曲の中でも異色に感じる曲ですね。
M-12「I Got Swag」はちょっとゴージャスな雰囲気のトラックの上での50のラップという組み合わせが面白いです。
・・・とまあ、なんとここまでずっとハードな雰囲気の楽曲が続くんですが、Ne-Yoが参加したM-13「Baby By Me feat. Ne-Yo」で一気に雰囲気が変わります。
女の子に「俺の子どもを産んでくれ!」というドストレートなスケベ曲なんですけど、曲調はかなりお洒落でNe-Yoの歌声もそのお洒落さを援護射撃。
50のラップも好調に乗りこなしていて、これはヒットしたのも頷ける曲ですね。
M-14「Do You Think About Me feat. Governor」は別れた元カノのことを綴った楽曲で、ちょっと切なさを感じるトラック。
50もちょっと優しめにラップを乗せていて、アルバム全体をとしても良いアクセントになっています。
先行配信されたミックステープなどにも収録されていたM-15「Ok, you're Right」を挟み、ボーナストラックへ。
R.Kellyが参加したM-16「Could`ve Been You feat. R.Kelly」は、幻想的なトラックで50とR.Kellyが半々の割合でラップを乗せる構成。(無論R.Kellyは所々歌もはさんでますが)
こういう組み合わせだとHookをシンガーが歌ってバースでラッパーがラップして・・というのを大抵は想像してしまうので、この構成はちょっとびっくりしました。
しかしどちらもいい仕事ぶりでしっかり聴かせてくれます。
重い雰囲気のトラックの上で50がいつもながらのラップを乗せるM-17「Flight 187」で本作は幕を閉じます。
ちなみにこの曲だけ国内盤でも対訳がついていません。
アルバムの半分以上をハードな曲で固めるという内容でしたが、それで最後の曲までしっかり飽きずに聞かせてくれる構成のアルバムを作ってしまうというのは凄いですね。
名曲と言える楽曲こそないものの、ガッチリ作られた良曲がずらりと並び、平均値がとても高いアルバムだと感じました。
個人的には2ndアルバムと並んでメジャーデビュー後に出たアルバムでは1番好きなアルバムです。
ハードな曲が苦手という人でも、M-13「Baby By Me feat. Ne-Yo」でしっかり雰囲気を変えてくれますのでご安心を。
見かけたら是非チェックどうぞ。
↓M-7「Crime Wave」のPV。
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