りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

Mind Of Mine / ZAYN

Mind of Mine


曲目リスト


1. MiNd Of MiNdd (Intro)
2. PILLOWTALK
3. iT's YoU
4. BeFoUr
5. sHe
6. dRuNk
7. INTERMISSION: fLoWer
8. rEaR vIeW
9. wRoNg feat. Kehlani
10. fOoL fOr YoU
11. BoRdErSz
12. tRuTh
13. lUcOzAdE
14. TiO
15. BLUE
16. BRIGHT
17. LIKE I WOULD
18. SHE DON'T LOVE ME
19. Do Something Good
20. Golden
21. Pillowtalk (The Living Room Session)


評価: ★★★★★★★☆☆☆


イングランドのブラッドフォード出身のシンガー、ZAYNの1stアルバム。
2016年3月25日発売。


ZAYNはイギリスで2010年に結成されたバンド、1DことOne Directionのメンバーとして活動していました。
1Dでの活動は成功も成功であり、結成から数年足らずで世界的なスターバンドに。(1Dの記事ではないので、そこら辺の詳細は省きます)
しかしそんな1Dの2015年のワールドツアー中に、強度のストレスを訴えライブ活動から離脱し、同年3月25日に正式に1Dからの脱退を表明。
余りのタイトなスケジュールに疲れ切っていたのもありましたが、1番の理由としては音楽性の違い。
「普通の22歳になりたくて芸能界を離れる」とメディアの前で発表しましたが、その宣言の翌週にソロで活動することを所属事務所から発表。
発表後は曲作りをすぐさま開始し、7月にはソロミュージシャン、ZAYNとしてレコード会社と契約。
ソロで活動を発表してから1年後、1stアルバムとして本作をリリースしました。
多くの国のチャートで1位を記録し、新人(ソロミュージシャンとして)としては異例の大成功を果たしました。


では、内容に。


1Dの音源は聴いたことがないのでそのスタイルと比較することは出来ませんが、聴いてみた印象としては2016年当時としては珍しいくらいの正統派シンガーだなと感じました。
トラックがとにかくシンプルで、あくまで主役はZAYNの歌というのをかなり意識しています。


イントロを経てのM-2「PILLOWTALK」はトラックはHook以外はほとんどおまけ程度で、ZAYNの歌唱を思い切り前面に出しています。と思いきや後半からはサウンドもちょっと前面に出始め、ZAYNの歌唱を援護射撃している感じです。
そんな変化にも難なく対応するZAYNの歌唱力もなかなかのもの。
M-3「iT's YoU」は神秘的な雰囲気のバラードで、ZAYNの歌唱もかなり生きています。


M-4「BeFoUr」は、前の2曲からちょっと雰囲気が変わって、落ち着いた雰囲気ながらもノリのいいトラック。
対訳を見ると彼のソロデビュー時の決意を歌っているように感じます。

M-5「sHe」も同じくちょっとリズムが癖になるような音展開を見せており、Hookではちょっと頭を振りたくなってしまいますね。
そしてM-6「dRuNk」が曲間がなくいきなりM-5「sHe」からバトンパスをし、まるで2曲が1曲のように聴こえます。
まあこちらはシンプルなトラックの恋愛ソング。


聴いているとのどかなお花畑のような情景を思い浮かべてしまうようなインストを挟み、アルバムは中盤へ。

リズムのいいトラックの上で優しい歌声を聴かせるM-8「rEaR vIeW」の後のKehlaniを客演に迎えたM-9「wRoNg feat. Kehlani」は中盤ではハイライトと言えますね。
Kehlaniの綺麗な歌唱がアルバム全体としても曲としてもいいアクセントになっています。
ダークなトラックと2人の相性も抜群。
続くM-10「fOoL fOr YoU」はHookでZAYNが本作でもかなり気合の入った歌唱を見せます。
Kehlaniとのコラボ曲の後に再び自分の存在感を出したかったんでしょうか。その反動かそこから3曲程度は最初から最後まで落ち着いた歌唱を見せています。


M-14「TiO」はダークな雰囲気ながらも歯切れのいいリズムのトラックで、初っ端からZAYNが気合の入った歌声を見せます。
冷たい雰囲気のHookも丁寧な歌いこなし。
M-15「BLUE」はM-3「iT's YoU」と同じく神秘的な雰囲気のバラード。

パーティーでの恋愛風景を描いたM-16「BRIGHT」を挟んだM-17「LIKE I WOULD」は対訳を見ると非常に詩が情熱的。


M-18「SHE DON'T LOVE ME」は片思いの楽曲で、ZAYNの歌唱もトラックも中々気合が入っています。
次のM-19「Do Something Good」はアルバム中でも異色で、まるで西部劇のバーのような雰囲気が全体に漂っています。
最後の方でちょっと面白い飛び道具を出してきましたね。

本来だと最後の曲にあるM-20「Golden」は聴いている人たちに前向きなメッセージを送る最後の〆としては素晴らしい楽曲。
ただちょっと曲の終わり方があっさりしすぎな気もします。


M-21「Pillowtalk (The Living Room Session)」は国内版限定のボーナストラック。
良くも悪くも本作での中心的なスタイルでの延長で、ZAYNの本作でのスタイルが好きなら気に入るとかと。


初めてZAYNの歌声を聴きましたが、とにかく歌唱力の高さには圧倒されました。
サウンドも80年代や90年代のR&Bを彷彿とさせるものが多めで、当時にリリースされていたといっても騙されるかもしれません。
ただ国内版のボーナストラックやインストを含めてとは言っても21曲という曲数は流石に聴き疲れしますね。
1stアルバムということもあって気合が入ったのでしょうが、ちょっと詰め込みすぎの感も。
もうちょっと曲数を絞っていたらもっと聴き返したくなるアルバムになったかもしれませんね。惜しいです。

しかし1曲単位で見ると良曲が詰まっている作品なのも事実。
R&Bのオーディオやプレイリストのネタ不足の皆様、いかがですか?


↓M-4「BeFoUr」のPV。
www.youtube.com