曲目リスト
1. Intro(Bay-Funk)
2. Kurukuru Episode
3. Dawn By Low
4. Zig Zing
5. Too Dogg II feat. Destino
6. Till Down
7. Skit(Human Beat Box) / 太華
8. Status
9. Message feat. Laynah
10. Free Funk Island
11. Society
12. Page Of 24
13. Sea Side Walk feat. Destino
14. Outro(Smooth)
評価: ★★★★★★★★★☆
神奈川県川崎市の武蔵小杉にて結成されたラップグループ、NORAの3rdアルバム。
2004年7月25日発売。
2003年に1stアルバムをリリースして以降、自らの作品のリリースは勿論のこと、自分たちが監修したコンピレーションアルバムのリリースや仲間のラッパーの作品への客演参加など様々な活躍を見せてきたNORA。
2004年の夏、3rdアルバムである本作をリリースしました。
この時のメンバーはMCのTicky "D" Tac、GIPPER、YOZE、TRIPPEN、MASCOTT BOY、NEECH、シンガーのJUN、トラックメイカーのFUEKISS!!の8名。
前作ではメンバーであったYACCHIは結局1曲も参加しないまま抜けたようですね。
後1stシングルで参加していたJIROはあの時だけの出演だったようです。
ちなみに翌年にMASCOTTが脱退したため、NORAのアルバムではMASCOTTが最後に参加した作品となっています。
では、内容に。
1stアルバムではMASCOTT BOYが楽曲では不参加。2ndアルバムではTRIPPENとYACCHIが楽曲では不参加でしたが、本作は初めてアルバムでは全員が楽曲参加していますね。
イントロを経てのM-2「Kurukuru Episode」はMASCOTTとNEECHという他にない組み合わせ。
ギターが利いた強烈なトラックとMASCOTTの流れるようなラップ、NEECHの気怠いラップの相性は抜群で、初っ端から耳を掴まれます。
特にHookでの音や声の絡ませ方は絶品で、本作では一番hookが作り込まれている楽曲と言っていいですね。
M-3「Down By Low」はHookを交えながらGIPPER→MASCOTT→TRIPPEN→YOZEの順番でマイクを回すマイクリレーもの。
グイグイ攻めてくるようなトラックの上での4MCの暴れっぷりが半端なくてこれだけでも十分なのですが、TRIPPENのバースではトラックの雰囲気が変わるところも面白いですね。
その上にバシバシとラップを乗せるTRIPPENの力量は確かなもの。
M-4「Zig Zing」はシンプルながらも勢いのあるトラックの上でNEECHとYOZEがマイクパスを繰り広げる楽曲。
トラックだけでも首を振りたくなりますがその上に乗る2人のラップもキレキレで言うことなしです。
M-5「Too Dogg II feat. Destino」は1stシングルのカップリング曲の再録ですが、シングルの収録バージョンからトラックに若干アレンジが加わっています。
どんな風に変わっているのかは聴いてからのお楽しみで。
ここまではガンガンなラップ曲が続いてきましたが、M-6「Till Down」はそんな流れから一転して落ち着いた雰囲気の楽曲。
GIPPERのラップとJUNの歌というよくあるラッパーとシンガーの楽曲です。
休日の風景を描写した柔らかめなGIPPERのラップとJUNの爽やかに歌い上げる歌の相性の良さは半端なし。
アルバム全体としてもかなりいいアクセントになっています。
M-7のSKITは大華がBeatBoxを披露するという遊び心に満ちたSkitで、M-8「Status」はNEECHとTacのタッグ。
オール英詩というこの2人らしい試みですが、とにかくHookのスクラッチがかっこよすぎてそこに耳を持っていかれてしまいますね。
M-9「Message feat. Laynah」はMASCOTTのソロで、シンガーのLaynahが客演として参加。
MASCOTTの流れるようなラップとLaynahの透明感のある歌声が程よく絡み、他にはない雰囲気になっています。
ラッパーとシンガーという構成はM-6「Till Down」と同じですが、雰囲気をしっかり変えているのが凄いですね。
M-10「Free Funk Island」はMASCOTTとGIPPERによるサマーチューンで、HookではMASCOTTが歌っています。
MASCOTTの歌うようなラップとGIPPERの舐めまわすようなラップが楽し気なトラックによく合います。
TacとTRIPPENによるM-11「Society」ではM-10「Free Funk Island」の楽し気な雰囲気から一転、ハードな雰囲気で本作でも異色な楽曲です。
いつも陽気なラップを吐き出すイメージのTRIPPENですが、この曲では低めな声でシリアスな雰囲気のラップをしています。
ぶっちゃけ最初聴いた時TRIPPENと分からなかった人も多かったのでは?(1stシングルの「night rider」でも似たようなラップの仕方はしていましたが・・)
1バース目と3バース目のラップ、そしてHookもTacが担当しているので完全にTac主導の楽曲なんですが、TRIPPENが普段と全然違う雰囲気なのでそっちのインパクトが強すぎです。
M-12「Page Of 24」は1stシングルの表題曲で、こちらはシングルバージョンをそのまま収録。
M-11「Society」の後にこういう綺麗めな楽曲を持ってきたのは正解ですね。この流れでこの曲を聴くとホッとすること請け合いです。
M-13「Sea Side Walk feat. Destino」はガンガンにトークボックスを利かせたトラックの上でのMASCOTT→Tac→GIPPER→Destinoの順番でのマイクリレー。
全員の気合の入ったラップとトークボックスの絡みが聴きごたえ抜群で、Destinoの熱いラップも相まって最後を〆るにふさわしい楽曲です。
最後にしっとりとした雰囲気のアウトロでアルバムは幕を閉じます。
当時のメンバー8人が全員参加した本作ですが、6人のMC陣とJUNの歌、FUSKISS!!のトラックも全てにおいてポテンシャルを過不足なく発揮しています。
客演陣のラップや歌もいいアクセントになっていて、文句をつける点が見当たらないですね。
MASCOTTも後に抜けるとは思えないくらいに他のメンバーのラップやトラックに馴染んでいるため、本作を最後にNORAを去ったのは本当に残念です。
ちなみに最後にM-13「Sea Side Walk feat. Destino」のPVを貼り付けますが、このPVではMASCOTTのバースが全てカットされているのでCDとはちょっと違うことにご注意を。
ちなみに昨年紹介したNORAの前作アルバムと1stシングル、そして本作はアルバム単位での配信は行われていないので、シングルやアルバムとしてはCDを手に入れるしかありません。
3作とも本当に良作なので、見かけたら是非ゲットを。
↓M-13「Sea Side Walk feat. Destino」のPV。
www.youtube.com