りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

The Slim Shady LP / EMINEM

ザ・スリム・シェイディLP


曲目リスト


1. Public Service Announcement
2. My Name Is
3. Guilty Conscience feat. Dr. Dre
4. Brain Damage
5. Paul
6. If I Had
7. '97 Bonnie & Clyde
8. Bitch
9. Role Model
10. Lounge
11. My Fault
12. Ken Kaniff
13. Cum on Everybody
14. Rock Bottom
15. Just Don't Give a Fuck
16. Soap
17. As the World Turns
18. I'm Shady
19. Bad Meets Evil feat. Royce Da 5-9
20. Still Don't Give a Fuck


評価: ★★★★★★★★☆☆


アメリカのデトロイト出身のラッパー、EMINEMの2ndアルバム。
1999年2月23日発売。


EMINEMデトロイト出身のラッパーで、家庭の事情で2、3ヵ月に1度は引っ越しをするという家庭に育ちました。
そのせいもあって友人を作ることができず、いじめの対象にもなってしまいました。
母親からは虐待もされ、黒人よりも裕福だと思われがちな白人でありながらも過酷な人生を送ります。

そんな彼が音楽の世界に入ったのは14歳の時で、地元の仲間とラップグループのD-12を結成。
ラッパーになることを志して、学校も中退し、アルバイトをしながらリリックを書き溜めます。

1996年にとうとうアルバムをリリースしてデビューを飾るも、結果は地元の仲間をちょっと喜ばせた程度で終わってしまいます。
その失敗を経て1997年にEPをリリースし、アンダーグラウンドシーンでは2万枚のセールスを記録。


EMINEMに転機が訪れたのはFMラジオに出演したときのこと。ラジオ内でフリースタイルを披露したのですが、そのオンエアをチェックしていたのがアメリカのHIP HOPの重鎮であるDr. Dre
その才能に魅了されたDreはすぐさまEMINEMのもとへ向かい、自身が運営するレーベルのAftermathへの契約が決定。

そしてリリースされたのが2ndアルバムである本作。
初登場でチャート2位を記録し、黒人が中心であったHIP HOP文化に風穴を開けた形になりました。


では、内容に。


EMINEMの特徴は一瞬でEMINEMと分かるダイナミックな声質に常任離れした確かなスキル、そしてユニークなリリックなど色々ありますが、何よりも特徴的なのは「Shadyという別人格を演じる」という手法。
ShadyはEMINEMの中に眠るもう一つの人格とされており、かなりハイで危険な奴です。
本作はEMINEMのアルバムの中でもそんなShadyのヤバさが存分に出た作品となっています。


イントロを経てのM-2「My Name Is」は話題沸騰となったシングル曲で、「俺の名はSlim Shady!」と宣言。
Hookではおふざけ全開ながら、対訳を見るとバースではかなりえげつないことを言っています。
EMINEMのいい意味での馬鹿さ炸裂です。

M-3「Guilty Conscience feat. Dr. Dre」はDreとの会話方式での掛け合いラップで、対訳を見てもまるで2人の男の物語を読んでいるような感覚。
合間合間に入るナレーションもいいアクセント。


M-4「Brain Damage」はいじめをテーマにした重たい内容で、一切曖昧な言葉はなし。
スキットを経てのM-6「If I Had」も人生について諦観した内容になっており、シリアスな雰囲気。
この辺りは恐らくEMINEMの実体験が元になっているのでしょうね。


M-7「'97 Bonnie & Clyde」は娘を愛する父親の物語なのですが・・これはもう対訳を呼んでください。
EMINEMストーリーテラーっぷりが光ってます。
そこからはスキットを挟んで次の曲に行くという構成が3曲続きます。
随所にコマーシャルが挟まれるTVドラマのような展開ですね。


その後はM-14「Rock bottom」からは1曲ずつの構成へ。
哀愁漂うトラックとENINEMのラップの相性が抜群で、その後にShadyもののM-15「Just Don't Give a Fuck」に行くのもいい流れです。

本作では最後のスキットを挟んだM-17「As the World Turns」は少年院から出てきた青年が主人公のスト―リテーリング。
M-18「I'm Shady」は本体のEMINEMを差し置いて前に出ようとするShadyのメッセージソングで、対訳を見るとリリックの書き方が本当に上手いです。
M-19「Bad Meets Evil feat. Royce Da 5-9」はRoyce Da 5-9が参加。
EMINEMRoyceのラップの対比が楽しめます。


最後を締めくくるM-20「Still Don't Give a Fuck」は重たい雰囲気のトラックの上での人間不信なラップがEMINEMらしいです。


全体を通してみるとこの頃からEMINEMの良さは炸裂していたんだなと実感できるアルバムになっています。
リリックの内容は癖があるので好みは分かれるかもしれませんが、是非1回は対訳を見ながら聴いてほしいですね。
EMINEMの独特な言葉選びを実感してほしいです。(無論英語が理解できればもっともっと良さを実感できるのでしょうけど)

音楽的にもかなり聴きごたえがあるアルバムなので、見かけたら是非どうぞ。(できれば対訳が付いている国内版を!)


↓M-2「My Name Is」のPV。
www.youtube.com