りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

Guess Who's Back? / 50 CENT

Guess Who's Back


曲目リスト


1. Killa Tape Intro
2. Rotten Apple
3. Skit/Drop
4. That’s What’s Up feat. G-Unit
5. U Not Like Me
6. 50 Bars
7. Life’s On The Line
8. Get Out The Club
9. Be A Gentleman
10. Fuck You
11. Too Hot feat. Nas & Nature
12. Who U Rep With feat. Nas & Bravehearts
13. Corner Bodega
14. Ghetto Qua ran
15. As The World Turns feat. U.G.K.
16. Whoo Kid Freestyle
17. Stretch Armstrong Freestyle
18. Doo Wop Freestyle


評価: ★★★★★★★☆☆☆


アメリカのNY出身のラッパー、50 CENTのミックステープ。
2002年4月16日発売。


2000年にアルバムをリリースする予定だったものの、発砲事件に巻き込まれ、自身も銃弾をくらって生死の境をさまよった50 CENT
それにより音楽業界から締め出され、ラッパーの道を絶たれようとしていました。
(銃弾が口にも当たったことにより、滑舌も悪くなりましたし)

しかしながらDr. DreEMINEMのプロデュースにより、2003年に1stアルバムを1100万枚売りさばき、一気にスターダムにのしあがって見事に復活を成し遂げたわけですが、その復活前にリリースされたのが本作です。
本作もビルボードで30位以内に入るなど、中々のセールスを記録しています。


さて、内容に。


好セールスを記録したとはいえ、フルアルバムではなくあくまでミックステープ。
以前感想記事を書いた「Bulletproof」と同様、彼のフルアルバムと比べるとやはり、トラックもラップもちょっとチープな印象を受けます。
客演もそこまで目立った活躍はしておらず、あくまで50 CENTというラッパーをアピールするために作られた1枚と言えそうです。


特に序盤はちょっと粗めのトラックの上で50がいつもながらの癖のあるラップを乗せる流れで、ちょっと単調に感じなくもありません。
M-4「That’s What’s Up feat. G-Unit」ではLLOYDとYAYOが参加していますが、あくまで脇役という立ち位置で、G-UNITのファンでもそこまで期待するほどではありません。


一気に聴きごたえが上昇するのはちょうど中盤に差し掛かるM-7「Life’s On The Line」からです。
1stアルバムで初めて聴いた時から大好きな曲ですが、本作でこの流れで聴くとますます魅力が上昇します。
淡々とラップをしていく楽曲からいきなりこんな暴れまわるような楽曲に変わる展開がたまりませんね。
G-UNIT周辺ではお馴染みのJA RULE DIS曲なので、好みは分かれるでしょうけど、個人的にはかなり好みです。
そこからは幻想的なトラックの上で50のHook作りの上手さが光るM-8「Get Out The Club」、クラシックをサンプリングしたトラックと50のラップがたまらない化学反応を起こすM-9「Be A Gentleman」、スクラッチが効果的に働くHookが絶品なM-10「Fuck You」と、もう聴いていて耳が離れなくなってしまうこと間違いなしです。


そしてNASとNATUREを客演に迎えたM-11「Too Hot」。
もうこれはスクラッチを経ての最後のバースを埋めるNASのカッコよさにノックアウトされてしまいますね。
50の癖のあるラップの中で、乾いた声でスムーズにラップを乗せていく様が見事にいいアクセントになっています。
本作の個人的な客演MVPはこの曲のNASですね。
(続くM-12「Who U Rep With feat. Nas & Bravehearts」はこれまたマイクリレーものですが、Braveheartsが勢揃いなせいかちょっと雑多な印象が否めず)


後半になってもM-13「Corner Bodega」、M-14「Ghetto Qua ran」と50ならではのHookが楽しめること請け合いな楽曲が目白押しです。
特にM-14「Ghetto Qua ran」は曲名は怖いですが、本作の中でもかなり聴きやすい楽曲になっていて、そのギャップも楽しめます。
シンガーを客演に迎えていないのに、こういう雰囲気を出せてしまうのは50の武器ですね。

最後のフリースタイル3曲は本当に自分たちでやりたいようにやった感じですが、50のファンなら嬉しい内容でしょうね。
個人的にはM-18「Doo Wop Freestyle」はイマイチ、他の2曲はまあまあでしょうか。


オリジナルアルバムよりはちょっといびつな部分もありますし、たらればを挙げれば出てくるんですけど、好セールスを挙げたのも納得で、個人的には50のオリジナルアルバムにもひけを取らない良作ミックステープだと感じます。
50に興味のある方なら是非買ってみては。
最もこれから50を聴いてみようという方はやはり本作ではなく1stアルバムをまず聴いてみることをオススメしますが・・・というか本作と1stアルバムを合わせて手に入れるのが一番いいかもしれません。
1stアルバムを聴いて50の世界に入ったら、本作でさらに深いところまで行ってしまってください!


↓M-10「Fuck You」のPV。
www.youtube.com