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1974221 / Akeem

1974221


曲目リスト


1. 1974221
2. 音楽ノ*#@
3. UBG EXPRESS
4. 病んだ視点(イルマナグREMIX)


評価: ★★★★★★★☆☆☆


宮城県仙台市出身のラッパー、Akeemの1stシングル。
1999年11月1日発売。


Akeemは宮城県仙台市出身で、1994年から仙台にてラッパー活動を開始。
1996年に上京し、Zeebra率いるラップクルーのUBGに加入。
Akeem Da ManagooやAkeem Tha Illmanagooの別名でも活動し、Zeebraの1stアルバムを始めとする様々な作品に客演参加して名前を広げていきました。
1999年、1stシングルである本作でAkeem名義でデビューを果たしました。
2024年現在、Akeemの作品で唯一全国流通の作品となっています。


では、内容に。


Akeemのラップは声に癖がなくて聴いた感じはそこまで特徴はないんですが、とにかくライミングに重きを置いています。
客演でいい働きをすると評されるのもどんなトラックにもなじみそうな声質と、がっつくようなライミングによるものが多いんでしょうね。
確かにこのスタイルならどんな曲に客演しても邪魔にはならずいいアクセントになりそうです。


表題曲のM-11974221」はZeebraがトラックを手掛けており、Zeebraのメジャーシングルの「Mr. Dynamite」を彷彿とさせるような硬派でシンプルなトラック。
この「1974221」はAkeemの生年月日を並べたものだとか。
Akeemのラップとトラックの相性は悪くないですし、Akeemもライミングを細かく織り交ぜながら乗りこなしてます。
ただ最初から最後まで淡々としていて、アルバムやコンピの中での1曲としてならいいのでしょうがシングルの1発目としては少しパンチが弱め。

M-2「音楽ノ*#@」はDJ DAIがプロデュース。
随所にキラキラ音を入れながらも怪しげな雰囲気のトラックは中々聴いていて楽しめます。Akeemのラップも相性はいいですし、随所でのスクラッチもいい味。
1分34秒と短いのでInterludeっぽくもあります。

M-3「UBG EXPRESS」は客演としてクレジットはされていないもののUBGの仲間であるOJ&STが参加。
トラックはINOVADERが手掛けており、バースでは淡々としているのにHookではキラキラした音を入れまくっている構成が面白いですね。
OJ&STの掛け合いHookもいいアクセント。

M-4「病んだ視点(イルマナグREMIX)」はコンピアルバム「Synchronicity」に収録された同名曲のRemix。
Remixを手掛けたのはSoul ScreamからDJ Ceroly。
個人的に最後を〆るこの曲が本作のハイライト。この曲のAkeemのラップは他のどの曲よりも聴きとりやすいですし、DJ Cerolyのトラックとの相性も抜群。
言葉選びの面でも所々にキレがあるラインがあり、最後の〆としていい感じです。


全ての曲で違うトラックメイカーを迎え、鳴り物入りのデビューを果たした本作。
通して聴いてみるとやはりAkeemはどんなトラックにもなじむ声質の持ち主だと感じますね。
どんな人でもすんなりと聴けるのではないでしょうか。

最も、それだけに全体的にあっさりした印象を受けるのも事実。
コンピやアルバムの1曲ならいいんだろうなあという曲が集まった感じで全体的に雰囲気が硬く、物足りなさを感じる人もいるかも。
もう少し客演を呼んだり変わったトラックに挑戦したりして緩急をつければネクストレベルに行けた感もあります。
十分良作ではありますが。

とりあえず試聴することをおススメします。


M-11974221」のPV。
www.youtube.com