りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

zero soul seven V / 0 SOUL 7

zero soul seven V


曲目リスト


1. Get Along
2. お前のままに
3. Ride On feat. シュビドゥバ
4. My Fault
5. skit L→R
6. Home
7. ウェディング


評価: ★★★★★★★★☆☆


2005年から活動開始したラップグループ、0 SOUL 7の5thアルバム。
2009年6月24日発売。


2005年にMCのBABE.RYOTA、シンガーのSun-High、DJの DJ TSUNEというメンバーで活動開始した0 SOUL 7。(TSUNEは後に脱退した模様)
2006年にインディーズデビューを果たして3枚のアルバムをリリースし、2008年にメジャー1stシングルをリリースしてメジャー進出。
2009年には1月に早速4thアルバムをリリースしたのですが、その5か月後に5thアルバムである本作をリリース。


さて、内容に。


0 SOUL 7はジャンル的にはHIP HOPに入るみたいですが、いい意味であまりそれを感じさせないですね。
RYOTAの荒い声のラップと透き通るようなSun-Highの歌声はこのうえなく抜群です。


M-1Get Along」は優しいギターのイントロが非常にキャッチ―で、そこに乗るちょっと疾走感のあるトラックが程よいスタート。
序盤のRYOTAのラップの後に控えるSun-Highの爽やかな歌Hookから一気に惹きこまれること間違いなし。
リリックの内容も音楽に対する姿勢が伝わってくる内容で、この曲を聴いて彼らに好感を持つことは必至。

続くM-2「お前のままに」はリリックの内容は友情もの。
風が抜けるようなトラックの上でのRYOTAとSun-Highの響きがいいライミングがとても心地よく聴けます。
優しい雰囲気が2人の歌とラップによく合います。


M-3「Ride On feat. シュビドゥバ」はシュビドゥバが参加しており、こちらは本作では唯一といってもいいパーティチューン。
ガラっと雰囲気が変わりました。
全員歯切れのいいラップをマイクリレー形式で聴かせてくれ、スクラッチを大量に入れ込んだトラックも聴きごたえ抜群。
リリックの内容も嫌味がなくて本当に楽しく聴けます。

M-4「My Fault」はリリックの内容を見ると自分の内情に向き合うというUSのHIP HOPでありそうな内容。
RYOTAの声質がよく内容にマッチしていて、Sun-Highの歌もいいアクセント。
USのHIP HOPにありそうな内容と言ってもアメリカに被れたような言葉選びではなく、日本人でも誰でも思い当たりそうな言葉を選んで乗せているため共感しやすい内容になっています。

会話スキットを挟んだM-6「Home」はいつも自分を支えてくれる人へ向けた感謝ソング。
曲名を見ると家族に対する感謝ソングを連想してしまいそうですが、リリックを見ると向けている人物が誰かは分からず、恋人や友人に対しても成立するメッセージソングですね。
RYOTAも後半でちょっと歌ってみるなど優しい雰囲気を出しており、荒い声質なのにここまですんなりトラックに順応してしまうのは凄いですね。


最後を〆るM-7「ウェディング」は曲名の通り結婚ソングで、結婚する2人に対してのメッセージソング。
ストリングスをメインにした壮大な雰囲気のトラックはリリックの内容と2人の声との相性がバッチリで、RYOTAのラップは声的に浮きそうなんですがこれまたすんなり馴染んでいます。
RYOTAのラップは最後にも入るんですがそのラップを経ても壮大な雰囲気は途切れることはないですからね。
〆としてはかなり〇です。


このジャケットを見た時はよくあるラップアルバムかなと思いましたが、中身を聴いてみると予想以上に聴きやすくて心地よいサウンドが満載の内容でした。
DJ TSUNEの馴染みやすいトラック、RYOTAの荒い声質ながらも順応力の高いラップ、Sun-Highのとても綺麗な歌声が見事に拮抗してこのグループにしか作れない雰囲気が出ています。
どんな方にもお勧めできる作品。
2009年はGReeeeNやLGYankees、湘南乃風にLOOZなど似た系統で知名度のあるミュージシャンがアルバムをリリースしたのもあってかそれらに埋もれて余り話題にならなかった作品ですけど、内容的には当時の彼らの作品に全く引けを取らない内容でしょう。
見かけたら是非どうぞ。


↓M-6「Home」のPV。
www.youtube.com