りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

NO DOUBT TRACKS / V.A.

NO DOUBT TRACKS


曲目リスト


1. 男歌 / LGYankees
2. アカシ / Noa
3. T.O.U / Clef
4. アリガトウ / SO-TA
5. Blue D.I.A / Clef feat. HIRO
6. You're A flirt / Noa
7. 恋のリダイヤル★ / SO-TA feat. Noa
8. 熱帯夜 / GIO feat. 森摩耶
9. Love Story / Clef feat. 森摩耶
10. KO.A.KU.MA II / Noa feat. MAICHI
11. PARTY UP!! -LG MEGA MIX!!!!!- / LGYankees feat. ShaNa
12. Good Luck Homies -LG MEGA MIX!!!!!- / LGYankees feat. 山猿
13. Photograph -LG MEGA MIX!!!!!- / LGYankees feat. Noa
14. Eternal -LG MEGA MIX!!!!!- / LGYankees
15. Fondness -LG MEGA MIX!!!!!- / Noa feat. LGYankees
16. Because... -LG MEGA MIX!!!!!- / LGYankees feat. 中村舞子
17. Nodoubt Folks -LG MEGA MIX!!!!!- / LGYankees feat. Clef, ShaNa, PURPLE LEVEL, headphone-Bulldog
18. キミノモトエ… / PURPLE LEVEL feat. SO-TA
19. Going One Way / GIO feat. LGYankees


評価: ★★★★★★☆☆☆☆


NO DOUBT TRACKSからリリースされたコンピレーションアルバム。
2010年6月30日発売。


LGYankeesの「Dear mama feat. 小田和正」のヒット以降、NoaやClefなどといった所属ミュージシャンたちをお茶の間に広めることに成功したNO DOUBT TRACKS。
そんなNO DOUBT TRACKSの最初の作品はコンピレーションアルバムである「North East II」でしたが、それ以降は所属ミュージシャンのアルバムやミニアルバム等が中心となり、コンピレーションのリリースはされていませんでした。
本作はその最初の作品以来となるNO DOUBT発のコンピレーションとなります。
最初の4曲は新曲で、後は所属ミュージシャンの既発曲を集めた内容となっています。


では、内容に。


お茶の間にその名前が広まってからは聴きやすいPOP色の強い楽曲にレーベル全体でシフトしていったNO DOUBT TRACKS。
本作も全体的にそのような内容で、「もうこの路線でやっていく」という宣言のようなコンピアルバムといえます。


NO DOUBT TRACKSのドンと言えるグループのLGYankeesの新曲、M-1男歌」でアルバムは幕開け。
RYOが脱退した後では初のLGYankees名義の音源となります。
もうこの曲の時点で「アングラなHIP HOPしか認めない!」という人は即座に停止ボタンを押してしまうのは間違いありません。
もはやHIROがラップしておらず、完全に歌です。
トラックもHIROのセルフプロデュースですが、完全に聴きやすさを重視した感じで馴染みやすいですね。
ただ曲としては普通にいい曲でリリックも熱く、NO DOUBTの社長として多くの仲間を率いていたHIROが歌うからこそ説得力があります。
RYOがいたらRYOの声的にできなかったであろう路線なので、やるのにはいいタイミングだったかも。

M-2「アカシ」はNO DOUBTを代表するシンガーのNoaの新曲。
幻想的なトラックの上でのNoaでの感情こもる歌いこなしがじっくりと聴かせてくれます。

M-3「T.O.U」はNoaと同じくNO DOUBTを設立当時から支えてきたボーカルグループのClefの新曲。
Clefお得意の聴きやすいラブソングですが、ラップも容易に歌いこなしており確かな力量を披露。

M-4「アリガトウ」はまだ当時大学生でデビューしたてだったSO-TAの新曲。
ノリが良くて聴きやすいトラックの上での爽やかなSO-TAの歌が相性抜群。
感謝をテーマにしたストレートなリリックもSO-TAの歌声と相まって魅力的に聴こえます。


新曲はここで終わりで、ここからはメンバーが自ら選曲した既発曲になります。

M-5「Blue D.I.A」はClefの楽曲でLGYankeesのHIROが客演として参加。M-6「You're A flirt」はNoaの楽曲で、どちらも恋愛ソングです。
どちらも悪くはないんですけど、ちょっと無難な恋愛ソングという感じでもう一押しほしいところ。


M-7「恋のリダイヤル★」はSO-TAが子どもっぽい男、Noaが大人な女を演じるミュージカルのような恋愛ソング。
どちらも雰囲気に合った声をしているので、この2人でなければ作れない曲なのではと思うくらいハマっています。
M-8「熱帯夜」はGIOと森摩耶によるパーティーチューンで、ノリのいいトラックの上でのGIOのどっしりとしたラップ、Hookで綺麗な歌声で華を添える森摩耶と全く無駄がない曲です。
GIOのガラガラ声っぽいラップはこういうスタイルだと見事にハマりますね。
続くM-9「Love Story」はまたしても森摩耶が参加した曲ですが、今度はClefとのコラボでの恋愛ソング。
切な目なトラックの上でのClefと森摩耶の歌が抜群の相性を見せつけてくれます。
ドラムの音が割としっかりしているのでHIP HOP好きな層にも割といけそうな気がします。

M-10「KO.A.KU.MA II」はNoaとMAICHIがコラボした小悪魔な女性の気持ちを歌った甘い雰囲気の楽曲。
可愛いと取るかあざといととるかで評価が変わります。


M-11「PARTY UP!! -LG MEGA MIX!!!!!-」からM-17「Nodoubt Folks -LG MEGA MIX!!!!!-」までの流れはLG MEGA MIX!!!!!と入っている通り、LGYankeesの既発曲(1曲だけ客演仕事が入っていますが)がMIX形式でつないであります。
LGYankeesの曲がサラッと聴けるといえば聞こえはいいですけど、MIXと銘打っている割にはスクラッチなども少なく、MIXというよりはただのメドレーという感じ。
後RYOの脱退後ということもあってRYOのラップがどの曲もバッサリとカットされているんですよね。
これからLGYankeesの楽曲を聴いてみようという人には悪くないかもしれませんが、元々LGYankeesの曲が好きな人には絶対に好意的にはとれないでしょう。
僕も原曲はM-15「Fondness」以外全て本作を聴く前に原曲を聴いていたので、ちょっとこの仕様は期待外れ。正直選曲も微妙ですし・・。

メドレーが終わった後のM-18「キミノモトエ…」はPURPLE LEVELの人気曲で原曲はTATTIが客演として参加していましたが、SO-TAを客演に迎えてアレンジしています。
ぶっちゃけ曲の大半をSO-TAの歌が占めているため1-MICの存在感が薄く、どっちが客演なのか分かりません。
聴き終わった後に1-MICのラップがあったことすら忘れているリスナーも確実にいそうですね。

最後を締めくくるのはM-19「Going One Way」で、GIOとHIROによる前向きメッセージソング。
最後に持ってくる曲としては悪くないですが、リリックの内容が思い切りヤンキー臭いのでかなり好みが分かれそうです。


全体的に見ると上にも書いたように聴きやすい楽曲が全てを占めているといってよいですね。
どんな人が聴いてもそれなりに楽しめる1枚にはなっていると思います。
ただ曲には良し悪しが出ており、やっつけ仕事なLGYankeesメドレーがアルバムの3分の1以上を占めていたりとたらればを挙げればキリがないのも事実。
NO DOUBT TRACKSのファンには間違いなく片手落ちな内容でしょうし、このアルバムの為に作られた新曲もこの後リリースされたそれぞれのアルバムに収録されているためそれを聴きたいならそちらをおススメします。

ただSO-TAのM-4「アリガトウ」とPURPLE LEVELとSO-TAによるリメイク版のM-18「キミノモトエ…」は本作でしか聴けないので、これだけでも本作を手に入れる理由になると思います。
これからNO DOUBT TRACKSを聴いてみようという人は入門編として是非。


M-1男歌」。
www.youtube.com