曲目リスト
1. I Came to Bring The Pain feat. Ludacris, Static, Tity Boi
2. The Ghetto
3. Bounce
4. All I Know feat. Cam'Ron
5. Game Over (Flip)
6. Rags 2 Riches feat. Will-Lean
7. Check (Let’s Ride)
8. Dem Boyz
9. Sunshine feat. Lea
10. Y’All Don’t Want It feat. The Diplomats
11. U Neva Know feat. Butch Cassidy
12. Throw Up Yo’Hood
13. What’s My Name
14. Game Over (Flip) (Remix) feat. Young Buck, Bun B Of UGK
15. Baby Boy, Baby Girl feat. Lea
16. Sunshine (Kingpin Remix)
17. Sunshine (Starstruck Remix)
評価: ★★★★★★★★☆☆
皆さん、お久しぶりです。
前回の更新から大分間が空きました。
前回更新してから色々なことがありました。
前回更新した次の週に喉の痛みと発熱を発症して、検査結果コロナ陽性者に。
有症状だったため、11日間自宅待機となりました。(今は有症状でも8日間になるみたいですね)
8日間仕事を休むことになり、それもあってか復帰後に急ぎ足のスケジュールになってしまい残業続き。
しかも先週には仕事先が変わるという、中々にジェットコースターな日々でした。
はてなの方にも全くログインしてませんでした。なので復帰記事みたいな感じで。
アメリカのテキサス州ヒューストン出身のラッパー、Lil' Flipの3rdアルバム。
2004年3月30日発売。(国内版である本作は同年12月22日発売)
2002年にリリースした2ndアルバムである前作がビルボード200で12位を記録するという大健闘を果たしたLil' Flip。
多くの客演オファーが舞い込み、人気ラッパーの仲間入りを果たしました。
それから2年後、3rdアルバムである本作をリリース。
ビルボード200では4位、リリース1週目で19万枚以上のセールスを記録するという前作以上の快挙を達成。
結果的にアメリカで100万枚以上のセールスを記録し、Lil' Flipのキャリアで最も好セールスを記録したアルバムに。
本作からのカットシングルではM-5「Game Over (Flip)」、M-9「Sunshine feat. Lea」が採用され、どちらも大ヒット。
特に後者はR&B / HIP HOPのビルボードで2位を記録するヒットになり、Lil' Flip史上最大のヒットソングとなりました。
本作(国内版)がリリースされたのもM-9「Sunshine feat. Lea」が日本のクラブで人気となり、Lil' Flipの認知度が高まったためです。
なお本来はこの3rdアルバムは2枚組ですが、国内版である本作はその2枚組の収録曲の中から曲をセレクトし、さらに国内版限定のRemixをボーナストラックで追加したという内容になっています。
では、内容に。
Lil' Flipの拠点はテキサスということで、当然ながらトラックの大半はサウスノリ。強烈な音が多いのでラップが弱いと全然様にならないことが多いのですが、Lil' Flipのラップは当然ながら全然負けておらずガッツリ乗りこなしています。
だからこそ人気ラッパーへの仲間入りを果たせたのでしょう。
M-1「I Came to Bring The Pain feat. Ludacris, Static, Tity Boi」はシリアスな雰囲気のトラックでのマイクリレー。
対訳を見るとオープニングにふさわしいビッグマウスもので、キャッチ―なHookからしてガチっと耳をロックされること必至。
M-2「The Ghetto」は3分もない短い曲ですが、ネタ感満載のトラックの上でのLil' Flipのタイトなラップの乗りこなしが聴きごたえあり。
続くM-3「Bounce」はバースは中々物騒な言い回しをしていますが、Hookはキャッチーな雰囲気で面白いです。
M-4「All I Know feat. Cam'Ron」はLil' FlipとCam'Ronのラップ合戦。どちらもタイプが違うラッパーですがいい勝負なラップを聴かせてくれます。
M-5「Game Over (Flip)」は如何にもサウスという感じのトラックで、ゲームのBGMのようなトラックが聴いていて首を振りたくなること請け合い。
M-6「Rags 2 Riches feat. Will-Lean」はLil' FlipとWill-Leanが最初から最後まで掛け合いをするという構成で、そのせいかトラックはちょっと地味。
おもしろい構成ではありますがちょっとインパクトに欠ける印象。
アルバムは中盤へ。
M-7「Check (Let’s Ride)」は哀愁漂うトラックでちょっとラテンっぽい雰囲気。
今までとは色が違うトラックの上でも難なく乗りこなすLil' Flipの力量を感じます。
M-8「Dem Boyz」は臨場感があるトラックでその上にのるLil' Flipも歯切れのいいラップを聴かせます。
M-9「Sunshine feat. Lea」は上にも書いた通りLil' Flip史上最大のヒット曲。
お洒落な雰囲気なラッパーとシンガーの曲で、恋愛ソング。
サウスノリな楽曲の中にあると浮きそうな曲ですが、これがアルバムの中でいいアクセントになっています。
曲自体もじっくり聴ける名曲なのは言うまでもなく。
M-10「Y’All Don’t Want It feat. The Diplomats」でまたしてもハードな世界に一気に戻されます。
物騒な内容のラップと不穏なトラック、ハードな世界に引き戻すのには持って来いな曲と言えます。
M-11「U Neva Know feat. Butch Cassidy」はちょっとトラックが西海岸な雰囲気で、Butchの歌も相まって聴いていて心地よさを感じる曲になっています。
Lil' Flipのラップもトラックに合わせてかそこまで力強くなくスムース。
本作では異色な曲ですが、夜のドライブなどに聴けば最高の雰囲気になるでしょう。
M-12「Throw Up Yo’Hood」、M-13「What’s My Name」ではお得意のサウスチューンで、しっかりLil' Flipの得意分野で攻めてきます。
M-14「Game Over (Flip) (Remix)」はM-5「Game Over (Flip)」のRemixですが、Young BackとBun Bが参加。
3人とも見事な仕事っぷりで原曲とはまた違ったよさを見せてくれます。
M-15「Baby Boy, Baby Girl feat. Lea」はM-9「Sunshine feat. Lea」と同じタッグのコラボ曲。
こちらはちょっとトラックが強めのラップチューンですが、Leaの歌声がやはりいいアクセントになっていて聴きごたえのある楽曲になっています。
勿論Lil' Flipのラップもがっつり聴かせてくれます。
残る2曲は国内版限定のボーナストラックでM-9「Sunshine feat. Lea」のRemix。
こういうRemixは期待してはいけないのが常識ですが、M-16「Sunshine (Kingpin Remix)」は原曲に負けてないRemixです。
シンプルながらも癖になるトラックとLil' Flipのラップ、Leaの歌声の相性が抜群で、予想以上の出来。
もう一つのRemixはうーん・・ですが。
全体を通すとサウスな楽曲がメインながらもバラエティに富んでいて、最後まで聴いていて飽きないアルバムになっています。
国内版で選曲された内容はまさに正しかったと言えますね。
輸入盤と比べると曲数は少ないですが、対訳はRemix以外はついていますし、国内版のRemixもこれ目当てで入手していい出来。
Lil' Flipのラップが聴きごたえがあるので、サウスが苦手な人にも是非チェックしていただきたい作品。
それ以外の人も見かけたらぜひどうぞ。
↓M-5「Game Over (Flip)」のPV。
www.youtube.com