りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

Suit / Nelly

スーツ


曲目リスト


1. Play It Off feat. Pharrell
2. Pretty Toes feat. Jazze pha, T.I.
3. My Place feat. Jaheim
4. Paradise
5. She Don't Know My Name feat. Snoop Dogg, Ronald Isley
6. N Dey Say
7. Woodgrain and Leather Wit a Hole
8. In My Life feat. Avery Storm, Mase
9. Over and Over feat. Tim McGraw
10. Nobody Knows feat. Anthony Hamilton
11. Die For You
12. Ride Wit Me (Remix) feat. City Spud
13. Dilemma (Remix) feat. Kelly Rowland


評価: ★★★★★★★★☆☆


アメリカのテキサス生まれミズーリ州セントルイス育ちのラッパー、Nellyの4thアルバム。
2004年9月14日発売。


以前感想を書いた3rdアルバム「Sweat」と同じような説明になりますが、一応書いておきます。
↓ちなみに「Sweat」の記事はこちら(以前って言っても書いたの5年前なので、以前というより依然かも・・)
rikubo3270music.hateblo.jp


2000年に1stアルバムをリリースして以降、2年に1枚のペースでアルバムをリリースしていたNelly
2004年にNellyは3rdアルバムをリリースすることになったわけですが、「俺はアルバムをリリースするたびに何か違うことを試みている」(5thアルバムリリース時のAmebreakのインタビューにて)Nellyは「2枚のアルバムを同時にリリースする」という前代未聞の試みを実現。
その2枚同時リリースされたのが「Sweat」と「Suit」。
「Sweat」はフロア向けでパーティチューンを集めたアルバムで、「Suit」はR&B色が強いお洒落な楽曲を集めたアルバムです。
今回はそのR&B色強めな「Suit」をご紹介。
リリース日的には両方が3rdアルバムなのですが、ディスコグラフィ的には「Sweat」が3rdアルバムで、「Suit」が4thアルバムとなっているようです。


さて、内容に。


Nellyの特徴といえば歌うようなラップですが、R&B色強めな本作でもその良さは存分に出ています。


キャッチ―な歌から始まるM-1Play It Off feat. Pharrell」からもう掴みはガッチリで、聴き進めたくなること請け合いです。
お洒落な音の中でも首を振りたくなるようなリズムの取り方をしているのが癖になりますね。
続くM-2「Pretty Toes feat. Jazze pha, T.I.」も幻想的なトラックの上での3人の絡みが聴きごたえ抜群。
ちなみにどちらもお洒落な雰囲気なんですけど対訳を見ると結構スケベな内容なので雰囲気を大事にしたい方は対訳を見ない方がいいかもしれません。

M-3「My Place feat. Jaheim」はトラックの音使いがヒット曲「Dilenma」を彷彿とさせるバラードのような雰囲気。
対訳を見るとこちらは恋愛ソング。Nellyの歌うようなラップはシンガーの歌との絡みでも全然違和感なく絡むのが強みですよね。

M-4「Paradise」はやっと客演なしのNellyの独り舞台。
リズムの取り方がズシンとしたトラックの上でのNellyのラップと歌が最後までダレることなく聴かせてくれます。


M-5「She Don't Know My Name feat. Snoop Dogg, Ronald Isley」は様々な音を混ぜ込んだ独特な雰囲気のトラックで、元気なキレのあるラップを乗せるNelly、クールな淡々としたラップを乗せるSnoop、そしてHookで歌で〆るRonaldと全員がしっかりとした仕事ぶり。

M-6「N Dey Say」は哀愁が漂いながらも歯切れのよいトラックが聴いていて心地よいですね。
その上にのるNellyの歌とラップもこの上なくハマっていていうことなし。


M-7「Woodgrain and Leather Wit a Hole」は喋りから始まるイントロなのですが、この喋りが1分近くありここまでのいい流れをぶち切ってしまった感が否めず。
トラックは色々な展開を見せる感じで面白いのですが、Nellyの歌い方が流石にここまでくるとある程度予想したとおりになっていてマンネリ。

M-8「In My Life feat. Avery Storm, Mase」は本作では異色な軽い雰囲気のトラック。
Avery Stormの歌がとにかく目立っており、NellyとMaseのラップが印象にあまり残らず。
聴き終わった後に2人のラップがあったことを忘れているリスナーもいるのでは。


M-9「Over and Over feat. Tim McGraw」はNellyもTimもほとんどラップしておらず歌です。
秋の木漏れ日を思い起こさせるようなトラックの上での双方の歌は相性バッチリでここから調子を取り戻してきた模様。
M-10「Nobody Knows feat. Anthony Hamilton」はシンプルなトラックの上でのNellyの歯切れのいいラップが印象的で、HookのAnthonyの歌もいいアクセント。


女性とNellyの会話で始まるM-11「Die For You」はバースではしっかりとラップを乗せつつもHookでは歌を見せるNellyのこなしっぷりがNellyの持ち味を感じさせます。
1stアルバムに入っていても違和感がないんじゃないかと思うくらい初期のNellyを彷彿とさせますね。

最後の2曲は曲名の通りNellyのヒット曲2曲のRemix。
どちらも原曲での客演もそのまま迎えての豪華な構成で、どちらも原曲に負けないRemixを披露。
どちらも原曲よりトラックの主張が強くなって原曲以上に首を振りたくなってしまう構成になっています。
原曲が歌で魅せていた内容だとしたら、こちらはトラックで魅せている内容と言えるでしょうか。


上にも書いたようにR&B色の強い楽曲がメインとなっている本作。
Nellyのラップと歌の魅力が十分に発揮されており「Sweat」も十分良作と言える1枚でしたが、こちらも「Sweat」に肩を並べられる良作です。
Nellyが脇役に回っている感がある曲があるという欠点があるのも「Sweat」と同じではありますが・・・。

「Sweat」は硬派なパーティチューンがメインだったこともあって評価はまちまちみたいですが、本作はR&B色強めで聴きやすいだけに評価は高いようです。
どんな人にも聴ける1枚だと思うので、見かけたら是非どうぞ。


↓M-6「N Day Say」のPV。
www.youtube.com