りくぼーの音楽感想倉庫

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こいが俺ですばい / 九州男

こいが俺(おい)ですばい


曲目リスト


1. 少年⇔未来 ~映画のようなメモリー
2. 出会い。。feat. RED RICE, BIG RON
3. Musical Messenger
4. 雲の上の君え
5. KEEP MY WAY feat. C&K
6. 島唄


評価: ★★★★★★★★☆☆


長崎県出身のシンガー、九州男の1stミニアルバム。
2007年6月13日発売。


九州男は長崎県出身のシンガーで、20歳の時に地元のクラブで声をかけられDeejayとしてマイクを握り始めたことで音楽活動を開始。
21歳からREGGAEの文化を学ぶために単身でジャマイカに出向いて修行。
帰国後には東京や横浜のクラブでも活動を行い、順調に名前を広げていきました。
2007年、本作でインディーズデビューを果たしました。
インディーズオリコンではチャート1位を5週連続で達成。
収録曲のM-2「出会い。。feat. RED RICE, BIG RON」がiTunesチャートでも好成績をマークし、インディーズデビューでは異例の大成功となりました。


では、内容に。


九州男の特徴はよく通る声で、確かな歌唱力もあるのでREGGAEという枠を超えて幅広く受け入れられるスタイルだと思います。
その辺りもヒットに繋がったのでしょうね。

晴れた日の朝を連想させるような穏やかな始まり方のM-1少年⇔未来 ~映画のようなメモリー」でアルバムはスタート。
始まり方こそ穏やかなもののそこからノリのいい打ち込み系のトラックに変わる瞬間はスタートとしてかなりいい入りだしです。
その上にのる九州男のラップと歌を両方こなすスキルもさることながら、前向きな青春讃歌のリリックもトラックによく合っています。
もうこの曲から聴き進めたくなること必至です。


M-2「出会い。。feat. RED RICE, BIG RON」は湘南乃風RED RICE、クラブシンガーとしてはお馴染みのBIG RONが参加。
この曲はどちらかといえばHIP HOP色が強めのトラックになっており、その上でREDと九州男がラップ、BIG RONが歌を乗せるという構成になっています。
REDのガラガラ声の無骨なラップと九州男の爽やかなラップはそれぞれ違う味を出していてそれだけでもいいのですが、後半でのREDと九州男の掛け合いが何といってもハイライト。
2人がまっすぐにこなしているのに対してBIG RONはいつもながらの気怠い感じの歌をHookにて披露しており、これまたいいアクセントに。
最後に3人で合唱するHookも満足感が高く、iTunesでヒットしたのも頷けますね。

M-3「Musical Messenger」はスリリングなトラックの上で九州男がラップをするクラブチューン。
歯切れのいい九州男のラップが臨場感があってかなり聴きごたえがあります。トラックもインパクトがあるんですけどそれに全く負けていないのが流石です。


M-4「雲の上の君え」は後にいくつかバージョンが作られる九州男の有名曲ですけど、最初に世に発表されたのがこのバージョンというわけです。
この曲ではラップは封印し、如何にもなしっとりしたトラックの上で誠実に歌を乗せていきます。
詞の内容は曲名から想像できる通りで、九州男の優しい歌声によく合った内容です。

M-5「KEEP MY WAY feat. C&K」は九州男の盟友であるC&Kが参加。確かC&Kを初めて世にお披露目した曲です。
こちらはダンスホールチューンで九州男とC&Kの軽快なラップが単純に聴いてて楽しいです。


最後を〆るM-6「島唄」はTHE BOOMの超有名曲「島唄」のカバー。
島唄」をまさかのREGGAE風にアレンジしてしまうという思い切った挑戦ですが、もはや歌詞が同じなだけの全く別な曲と言っていいかもしれません。
しかし出来が悪いかなんて言われたらそんなことはなく、ノリのいいトラックの上での九州男の歌いまわしがかなり聴かせてくれます。
誰でも一度は聴いてほしいアレンジになっていますね。最後の〆としては十分です。


九州男のデビュー作である本作ですが、6曲ながら多様なタイプの曲が入っていて何度聴いても飽きない内容になっています。
そしてその1曲1曲も間違いない出来で、九州男のポテンシャルの高さを十分にしらしめた1枚といっていいでしょう。
当時のインディーズ作品の中で異例の成功を収めたのも必然だったのでは。
中古でもよく見かける一枚なので見かけたら是非。


M-1少年⇔未来 ~映画のようなメモリー」のPV。
www.youtube.com