りくぼーの音楽感想倉庫

音楽CDの感想を綴っていきます

REALRHYME TRAX Phase2 / V.A.

Real Rhyme Trax(2)


曲目リスト


1. Shotcaller / DJ HASEBE feat. LUNCH Time Speax
2. Radio Radio / MIC BANDITZ
3. LIVE LIFE LIVE / GAGLE
4. 深海魚 / EELMAN
5. One Night Flower -Remix- / RYO the SKYWALKER
6. 喜びの唄 / TATE feat. MARKIE
7. GIVE ME YOUR LOVE-DJ WATARAI Deep forest mix- / Tyler
8. SEXY WORLD / F.O.H
9. 昨日のNo,明日のYes / GAKU-MC
10. マイペース / SOFFet
11. オレンジ / Mount Sugar
12. Devastated / SBK
13. RASHINBAN / GOICHI
14. KICK オフ(DJ TATSUTA remix) / KICK THE CAN CREW
15. By the Way-YSST remix- / RIP SLYME


評価: ★★★★★★★★☆☆


ワーナーミュージックからリリースされたコンピレーションアルバム。
2002年11月20日発売。


先日に紹介した2002年2月にリリースされた日本語ラップ系のコンピレーションの「Real Rhyme Trax」。
↓前作の記事
rikubo3270music.hateblo.jp


その第2弾が本作というわけです。


さて、内容に。


メンツを見た限りだと、前作よりはそこまでごちゃごちゃしていない印象を受けます。
前作ではミクスチャーバンドなどもいましたが、本作ではとりあえずラップ系のミュージシャンで固めていますね。


M-1Shotcaller」はシンプルなトラックながらも随所に入るスクラッチが聴いていて気持ちがいいです。
その上に乗るLUCHのラップも癖がなくサラッと聴き通せます。
続くMIC BANDITZのM-2「Radio Radio」も高速なラップと随所に挟まれる多彩な音が聴きごたえあり。
素直に聴き進めるのが楽しみになる流れです。


M-3「LIVE LIFE LIVE」は前作から続いてセレクトされたGAGLE
前作ではちょっと癖のある楽曲でしたが、この曲は純粋に聴いていて楽しいパーティーチューンです。
HUNGERのラップも確かなスキルを発揮しながらも癖がなく、誰でも楽しく聴けるラップを提供していますね。
その後に控えるEELMANのM-4「深海魚」は歌心があるラップが癖になりそうな楽曲で、ライミングも非常に上手いです。
リリックもかなり練られていて、本作の中でもかなり作りの上手さを感じますね。

M-5「One Night Flower -Remix-」は前作でも参加していたRYO the SKYWALKERの楽曲。
前作に引き続きなんでこのメンツの中に混ざっているんだ?って感じですが、曲自体はこれまたGOOD。
とあるコンピアルバムで原曲聴いたことあるんですけど、このRemixは正直原曲より好きかも。
ゆったりとしたトラックの上でのRYOの元気なガラガラ声が不思議な化学反応を起こしています。


M-6「喜びの唄」はTATEとMARKIEによる感謝をテーマにしたメッセージソング。
本作の中では一番わかりやすいメッセージが込められています。
どちらのラップもトラックの雰囲気に合っていますね。

続く2曲はどちらも歌もの。
前者はTylerの色っぽい歌声とクールなトラックが絶妙な相性で、後者はスリリングなトラックの上でのF.O.Hによるセクシャルな歌が聴きごたえあり。
ただ後者は子どものいる前で聴いたらちょっと気まずいかも。


前作から引き続いて参加のGAKU-MCのM-9「昨日のNo,明日のYes」は平和なトラックの上に乗るお気楽なリリックが印象的。
メッセージ性もあるんですけどお気楽な雰囲気のお陰でまったく押しつけがましく聴こえないのが凄みを感じますね。
SOFFetのM-10「マイペース」もまったりとした雰囲気と歌がしっかりハマっていて、聴いていると体を伸ばしたくなります。

M-11「オレンジ」はMount Sugarによる楽曲で、まったりながらも色々な展開を見せるトラックが面白いですね。
その上の綺麗な歌声も相性抜群。

まったり系の楽曲はそこで終わりで、あとはパーティーチューンがメインになっています。
前作でも参加していたSBKのM-12「Devastated」はスクラッチが随所に入っていてハードな印象ですが、MC陣が余り印象に残らず。

GOICHIによるM-13「RASHINBAN」は和風なトラックで、本作ではちょっと異色な雰囲気です。


最後の2曲はKICKとRIPという当時ハードコアなラップ愛好家や同業者から鬼の首を取ったように叩かれていたグループの楽曲のREMIX。
どちらのグループもラップスキルという面ではかなりの実力を持つグループなので聴きごたえでは流石。


前作の感想を書いたばかりということもありどうしても前作との比較傾向が強くなってしまいますがご了承を。

前作と比べるとごちゃごちゃはしていないですね。
ラップ系やR&Bのシンガー系のミュージシャンで固まっており、むしろ全体的に統一感が取れていて、曲順も無理がなく程よくまとまっています。
しかしながら曲のバラエティはしっかりあり、最初から最後まで楽しんで聴けます。

前作にあった短所は解消し、長所は維持する。
かなり理想的な2作目となったのではないかと。

前作は新しいミュージシャンを開拓してみたい!という人に向けた作品でしたが、本作はそのような人も対象に入れつつ純粋に色々なラップや歌を聴きたい!という人でも楽しめると思います。
見かけたら是非どうぞ。


↓M-10「マイペース」。
www.youtube.com