曲目リスト
1. Intro / Youngster
2. I'm So Proud / Chino & Chyna Doll
3. Darling Baby / Youngster, Chino & Chyna Doll
4. Cruisin' / Elusive 1
5. I Want Love / Chino, Youngster & Chyna Doll
6. I'm Gone / Youngster, Stroler & Chyna Doll
7. Back 2 The Barrio / Chino & Youngster
8. Surenos Bang / Chino & Youngster
9. Your Soul Is Mine / Chino & Chyna Doll
10. I Pray / Lil Gee
11. What Now / Elusive 1
12. Gangster Gangster / Youngster
13. Bouncin' / Youngster & Chino
14. Interview / Youngster & Chino
15. Friday The 13th / Chino & Dazer
16. The World Is Ours / Lil Gee
17. Throw Your Hood Up / Youngster
18. S.O.M (available on the upcoming album MR. CHINO-FRIDAY THE 13TH)
19. Hit It From The Back (available on the upcoming YOUNGSTER - GANGBANG......)
20. Gangbang (available on the upcoming SOUTHEAST GANGSTERS album)
21. Gangster Life (available on the upcoming LA COUNTY SURENO)
評価: ★★★★★★★★☆☆
Down 4 My Shit Recordsからリリースされたコンピレーションアルバム。
2002年発売。
Down 4 My Shit Recordsは2000年代に存在していたレーベル・・・みたいなんですけど、ググっても情報がまるで出てこないんですよね。
YoungsterやChinoなどが在籍していたようで、どうやら西海岸地方に構えていたレーベルのようです。
本作は2002年にそのDown 4 My Shit Recordsからリリースされたコンピレーションで、中心になったのはYoungster。
何か詳細を知っている方いましたらコメントでご教授お願いします。
さて、内容に。
コンピレーションアルバムと銘打ってはいますが、最後のボーナストラック4曲を除くと参加しているのは7人で、YoungsterとChinoの参加曲が大半を占めています。
そのためコンピレーションアルバムというよりはDown 4 My Shit Recordsのクルーアルバム、という感じですね。
Youngsterの司会者のような登場で幕を開けるイントロ(このイントロも後ろのトラックが結構しっかりしているため立派に曲として成立しています)を経てのM-2「I'm So Proud」はラッパーのChihoとシンガーのChyna Dollによるよくあるラッパーとシンガーの曲。
こういうコンピでこういうゆったりした楽曲で始まるのは珍しい気がしますね。
Chyna Dollの伸びやかな歌声が爽やかなトラックによく合っていますが、ChinoのラップがChynaに押され気味。
続くM-3「Darling Baby」では同じメンツに加えてYoungsterが加わってMCが2人になるわけですが、ここでも2人のラップが完全にChynaに食われており、Chyna1人で十分だったのではという感がぬぐえず。
M-4「Cruisin'」はElusive 1による独り舞台ですが、サンプリング元の歌がHookにそのまま引用されており、バースはラップでHookは歌というこれまた同じ構成になるのですが、Elusive 1の歯切れのいいラップとHookの歌がよくハマっています。
トラックの雰囲気にもよく合っていて、本当に曲名の通りクルージングの光景が目に浮かんできますね。
「今後この流れが続けば・・!」と思いましたが、その後の2曲はやはりChynaの歌にラップが押され気味。
M-6「I'm Gone」はラップにもかなり気合が入っているのが分かるんですが、それでもChynaのHookが来ると一気に印象が薄くなってしまいます。
ここまではイントロを除いて歌を交えた聴きやすいチューンばかりでしたが、M-7「Back 2 The Barrio」から雰囲気が変わります。
同曲とM-8「Surenos Bang」はハードな雰囲気のトラックでChinoとYoungsterの掛け合いラップを披露。
どちらもトラックの雰囲気によく合っている上に、聴きごたえのあるラップです。
M-9「Your Soul Is Mine」はChinoとChyna DollによるHookが歌の聴きやすいチューンで、やはりChinoのラップが印象薄め。
M-10「I Pray」はLil Geeの独り舞台ですが、夕方の海岸を思わせるレイドバックチューン。
シンプルなトラックですがLil Geeの力量あるラップが最後まで飽きずに聴かせてくれます。
Elusive 1の独り舞台であるM-11「What Now」はM-4「Cruisin'」とは違い疾走感のあるトラックの上で最初から最後まで自らのラップ一本。
歯切れのいいラップは相変わらずで、中々随所にスリリングな乗りこなしがあって楽しめます。
M-12「Gangster Gangster」はYoungsterの1人舞台でハードな雰囲気のトラックで、Hookでは特に引き出しの多いフロウを見せてくれます。
M-13「Bouncin'」はChinoとYoungsterによる爽やかでクールな雰囲気でのラップでの掛け合い曲で、やはりこういうタイプの曲だとどちらのラップもカッコいいです。
同じメンバーによるM-14「Interview」はほとんど喋りですが、クールなバックトラックがかかっている状態での喋りなので立派に曲として成立しています。
こういう喋り系のSkitはトラックがなく声だけで流れをぶち切ってしまうことがほとんどですが、この曲はトラックもしっかりしているのでいい流れとして機能していますね。
Chino & DazerによるM-15「Friday The 13th」は爽やかなトラックでバースでは掛け合い、Hookでは合唱Hookというよくある構成ですが、どちらも聴きごたえのあるラップを披露しています。
M-16「The World Is Ours」はLil Geeの独り舞台で、シンプルなビートですが随所に入るスクラッチが非常にいい働きをしています。
その上を難なく乗りこなすLil Geeの力量も大したもの。
アルバム本編としては最後を〆るM-17「Throw Your Hood Up」はYoungsterの独り舞台で、癖になるようなトラックの上でのスムーズな乗りこなしを披露。
ここからはそれぞれのアルバムに収録する予定の曲をショートバージョンで収録したボーナストラックで、どの曲もフェードアウト方式で1分台で終了します。
どの曲もこれだけでも良曲と分かる内容であり、ボーナストラックとして十分と言えます。
シンガーのChynaを迎えた曲ではラップの存在感が非常に薄くなっている部分が残念ですが、それ以外は本当に文句のつけようがない内容です。
正直Chynaの参加曲はChyna1人でやり、YoungsterやChino、Strolerはラップだけの楽曲に専念した方がよかった気がします。
全員ラップだけの曲では本当にカッコいいラップを乗せているので、なおさら勿体なく感じますね。
その部分がなかったらイントロやスキットにおいても満足度が高いので★10もあり得ました。
ラップメインの曲は本当にクラシック級の楽曲揃いなので、それを聴くだけでも手に入れてもらいたいです。
↓M-7「Back 2 The Barrio」。
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